SUWARI 叢雲塗
ワインやウイスキーの入ったグラスを手慣れた感じでくるくる回す仕草を見かけたことはありませんか?「スワリング」とは、グラスに注いだお酒を空気に触れさせることで香りを立たせる仕草のことです。そんなスワリングの楽しさを、山中漆器の伝統技術を活かした新しいカップで体験してみませんか?
山中漆器の新しいカップ
このカップは欅の木を厚くくり抜いて作られ、木の重さで自然に起き上がる構造になっています。底が丸く設計されているため、カップを置くとしばらくゆらゆらと揺れるデザインです。この独特の動きが、スワリングのように飲み物の香りを引き立てる効果を生み出します。
山中漆器の特徴
山中漆器は、全国的に有名な挽物ロクロ技術と、その木目を生かした拭き漆仕上げが特徴です。使い込むほどに上品な艶が出てくる漆器は、「使う」というよりも「育む」という感覚で楽しむことができます。
職人技の未来
近年、職人や作家の減少と高齢化が進んでおり、このままでは伝統技術が失われる可能性があります。そのため、若手漆器職人を育成することが重要視されています。「育む」というコンセプトを掲げ、次世代に技術を伝える漆器づくりが行われています。
叢雲塗(むらくもぬり)の技法
SUWARIの側面に見られる黒い模様は、和ろうそくの煤を利用した「叢雲塗」という技法で作られています。漆が固まる前に和ろうそくの煤を付けることで、黒い雲や炎のゆらぎを思わせる美しい模様が生み出されています。
山中漆器の新しいカップは、伝統と現代の融合を楽しむことができる一品です。伝統技術の美しさと機能性を兼ね備えたこのカップで、ワインやウイスキーをさらに楽しむことができるでしょう。
受賞歴
- 2020年 全国伝統的工芸品公募展 入選
- 2021年 グッド石川ブランド 認定商品
山中漆器インターン制度
現在では山中で叢雲塗をしている職人はただ一人。私達は、この状況を改善すべく漆職人を目指す若い職人を育成するべく人材育成事業も行っていきます。